加藤大臣:既に一昨日に公表されているところではありますが、今般、新型コロナウイルス感染症に対して不安を抱いている妊婦の方に対してマスクの配布含めて支援策をとりまとめました。妊婦の方が新型コロナウイルスに感染した場合の影響については、現時点では不明な点が多いものの、妊婦の重症化率や死亡率が他と比べて特に高いという報告は無いというのが今の状況であります。ただし、新型コロナウイルス感染に限らず、一般に、妊婦が風邪を引き、肺炎にかかった場合、重症化する可能性があるとされております。妊婦の皆さんには、過度に心配することなく、日頃の感染予防を徹底していただき、健康管理には是非努めていただきたいと思います。厚生労働省としても今般の対策等を通じ省を挙げて妊婦の方々が安心してお過ごしいただける、また、その安全確保に全力で取り組ませていただきます。
記者:患者数が増えた場合の軽症者・無症状者の自宅やホテルなどでの療養に関する事務連絡についてですが、今回、病院以外で対応する場合のポイントをちょっとかいつまんでご説明していただければと思います。また、宿泊費用や食事代の負担は国と自治体のどちらが負担するのか。東京都は移行する方針ということですが、施設などがすでに決まっていれば教えてください。
加藤大臣:昨日、軽症者あるいは無症状の病原体保有者の方々に対して、これから重症者の方々が増えると、病院機能を維持していくという観点から、入院治療が必要無い軽症者等は自宅療養とすること。ただ、その際、家族構成等から高齢者や基礎疾患を有する者への感染のおそれがある場合には、宿泊施設等での療養を行うなど、家族内感染のリスクを下げるための取組を講じることが3月28日の基本的対処方針で述べられているところでありまして、この体制移行については、各都道府県が厚生労働省と相談をしていただくということにしております。すでに、例えば東京都からもいろいろご相談をいただいているところであります。今、お話のあったことについては、自宅療養・宿泊療養の対象者解除の考え方、宿泊療養のマニュアル、自宅療養患者へのフォローアップの仕組み等について、昨日、都道府県等に対して周知をしたところでありますので、これを踏まえて、さらに軽症者数の療養体制の整備について、具体的な検討を是非進めていただきたいというふうに思います。宿泊等のマニュアルの中では、費用に関しては高齢者等の重症化するおそれのある者の感染リスクを下げるため、入院の代替手段として行うものであるという趣旨を踏まえて、費用負担を設定してほしいということをマニュアルには書いているところであります。
記者:水際対策について伺います。本日から、全世界からの入国者を対象にした14日間の待機要請、また、全員へのPCR検査は73か国に拡大されます。入国者への負担の軽減や、また、検疫所の体制強化について大臣の見解をお願いいたします。
加藤大臣:本日から、新たに49の国・地域を含む入管法の入国制限の対象地域に、過去14日以内の滞在歴のある方には症状の有無を問わず全員に対しPCR検査を実施をするということにしております。その方はもとより、それ以外の方も基本的に検疫所長の指定をする場所における待機、公共交通機関は使わないでいただくという対象になります。このPCR検査については、症状のある方は検疫所内、症状のない方は公共交通機関を使用しないで自宅に移動できる場合には、自宅において判明するまで待っていただく。ただ、それができない場合には空港内のスペース、又は検疫所が指定した宿泊施設等でそれぞれ待機をお願いすることにしております。その場合の宿泊に関しては、国が費用を負担するということにさせていただいているところであります。
今申し上げた対応を取っておりますので、検査対象となる方がこれからさらに増加をすることも想定されます。着陸から空港外に移動できるまでの時間、さらには結果判明までに1日、あるいは2日程度要するということでありますので、帰国を検討されている方については、このような空港、あるいは検疫の状況、このこともしっかりとご留意をいただきたいというふうに思います。なお、いくつか空港はすでに、国際便が到着している空港は限定がされているところでありますので、それ以外の空港から検疫職員を、例えば成田、羽田等へ移す等々して、検疫体制の強化にも努めているところであります。
記者:新型コロナの、学校が休校となった場合の保護者向けの助成金・支援金について伺います。支援金とならない対象として、風俗営業の関係者の方々が指定されていると思いますが、ここの雇用関係助成金でも軒並み対象外としている理由をまず教えてください。あと、こうした業界で子どもを育てながら働く人もいると思うのですが、関係団体から見直しを求める声が出ていますけれども、見直しを検討するお考えがあるかどうか教えてください。
加藤大臣:今、お話がありました雇用関係に関する助成金全般については、風俗営業等の規制及び業務の適正化に関する法律に規定する接待飲食の営業等を行っている事業所において、接客等の業務等に従事する者、支援金の支給に関わる発注者が風営法に規定する性風俗関連特殊営業等を行っている者に対しては支給をしないということになっておりますので、今回の、今言われた小学校等の休業対応の支援金も同様の扱いとなっているところであります。これは基本的には公的な支援措置の対象とすることが適切なのかどうかということで、これまでそうした基準が設けられてきたというふうに承知をしているところであります。現在、その取扱いを変える考えはありませんが、先日、要望書が提出されたことは承知をしているところではあります。
記者:軽症者の宿泊施設待機についてですが、既に病院に居る方の退院基準がPCRするというところと時間だけが変わっているがどのくらいの重症者のベッドを空ける効果があると考えているのですか。
加藤大臣:今、入っている方というのもあります。これから、感染が拡大をされる、その中においても既にそうですが重症者も一部おられますが、今の段階ではかなりの方が軽症でおられますから、その方をどんどん病院に入れていくと言うことになると病院のキャパとの関係でいっぱいになってしまう。そしてより重症者をしっかりケア必要があるということで今回の措置をとらせていただいています。
記者:1日の専門家会議の提言に盛り込まれたICTの利活用についてお伺いしたいのですが、提言では携帯電話で位置情報を知らせたクラスター感染の早期探知のデータ活用ということを早急に議論の開始を求めております。リンクの追えない感染者も国内で増えておりますが、各国では取組が広がっていますが、政府として議論をはじめる考えはありますか。大臣として必要性について教えてください。
加藤大臣:すでに、匿名性のあるデータの中で例えばある自治体にどれだけの人が集まっているかと、これは確かマスコミのなかにも出ていたと思います。そういった使い方については、我々も情報提供してほしいということで厚労省、また政府からも先般お願いをさせていただいています。更に今言われた個人が特定できるデータについては専門家会議においても、確か細かい文書までは覚えておりませんが個人情報保護法等々について慎重な検討と言う感じだったと思っております。他国においてもそういう事例があることは承知しておりますから、そういった事例の中でうまく日本の体系の中で取り入れるものがあるかないか等々を研究したいと思います。
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