6月29日 宇都宮健児候補 東京都知事選挙 政見放送 文字起こし

アナウンス:東京都知事候補、無所属、宇都宮健児、73歳。元日本弁護士連合会会長、地下鉄サリン事件被害対策弁護団団長。熊本高校卒、東京大学法学部中退。では、宇都宮健児さんの政見放送です。

宇都宮氏:宇都宮健児です。まず、新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方に対して、心よりご冥福をお祈りいたします。また、現在も療養を続けられている方々に対し、心よりお見舞い申し上げます。政府や東京都による自粛要請や休業要請によって、多くの都民の方が仕事を失い、住まいを失い、営業継続が困難となり、命やくらしが脅かされています。今回の都知事選は、都民一人一人の生存権がかかった選挙であると思っています。私は30年以上にわたり、サラ金や闇金融などから多額の借金を抱えて返済困難に陥った多重債務者の救済活動を行ってまいりました。また、貸金業者を規制をやるために、グレーゾーン金利を撤廃するという、貸金行法の改正を実現させました。

地下鉄サリン事件が発生した際は、地下鉄サリン事件被害対策弁護団団長として、オウム真理教の破産申し立てを行い、また、オウム真理教の犯罪被害者を救済する、被害立法を成立させました。さらに、リーマンショックが発生をして、世界的な金融危機に陥った時、派遣切りにあった派遣労働者が、野宿を余儀なくされました。このような派遣労働者を支援するために、日比谷公園に年越し派遣村をつくり、支援活動を行いました。2011年に東日本大震災と福島第一原発事故が発生した際は、私は日弁連、日本弁護士連合会会長として、被災者の支援活動に奔走し、被災者を支援する立法や制度づくりに取り組みました。

私が今回の都知事選で重視する政策は、まず第一に、コロナ災害から都民の命を守る医療体制の充実と、自粛、休業要請に対する補償を徹底するということです。日本のPCR検査数は、OECD、経済協力開発機構の加盟国36ヶ国中35位です。コロナ災害の第2波に備えるためには、PCR検査数の抜本的強化、病院や保健所、医療従事者に対する財政支援の強化、病床、医療器具の充実、そして命をつなぐ生活補償の徹底が必要です。第2は、小池知事が進めようとしている、都立、公社病院の独立行政法人化を中止するとともに、さらに、充実、強化を図るということです。独立行政法人化は、都立病院、公社病院の質の低下をさせるとともに、事実上の民営化につながるものです。この間、都立病院、公社病院は、コロナ感染患者の約7割を受け入れております。民間病院がコロナ感染患者を受け入れた場合、赤字経営となり、病院の維持が困難になっています。感染症対策をしっかりと行い、都民の命や健康を守るためにも、都立病院、公社病院の独立行政法人化を中止し、さらに充実、強化をすることが求められます。

第3は感染症対策の専門家が、来年の東京オリンピック、パラリンピックの開催が困難であると判断した場合は、IOC、国際オリンピック委員会に対して、オリンピック、パラリンピックの中止を働きかけ、中止になったことで浮いた予算はコロナ災害の被害に遭った都民の支援にまわします。第4はカジノ誘致計画を中止することです。カジノを誘致すると、多重債務問題の再燃、ギャンブル依存症の拡大、治安の悪化など、悪影響がもたらされます。カジノは賭博であり、負けた人の犠牲の上に成り立つ商売です。人の不幸の上に立つカジノ誘致は、きっぱりと中止すべきです。新型コロナ災害では、これまでの日本社会のあり方が問われています。日本社会は、国民の命や暮らし、人々の人権よりも、経済効率性ばかりを優先する自己責任社会でした。このような社会の脆弱性があらわになったのが、今回のコロナ災害です。これからの時代は、経済効率性よりも、国民の命や暮らし、人々の人権が尊重され、自己責任よりも社会的つながりが重視される、誰もが希望の持てる社会への転換が必要です。そのような都政を確立するために、都民の皆様と頑張って参りたいと思っております。ご支援を宜しくお願いします。

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